近年、グローバル化やIT化などによる環境変化、人口減少などの社会変化の激しさは否めません。その影響によって働き方も変化し、組織と職員の関わり方も変わってきています。
組織を運営する側としては、さらなる発展・成長のためにも、人材育成を積極的に実施し、個々の職員の職業能力やモチベーションを高め、定着率と生産性を向上させることが重要になっています。
見落としがちなのは、職場で従来型のマネジメントが行われていることです。組織の目的をそのまま職場におろし、それを実現させるよう訴えかけるやり方は、職員のモチベーションを下げるだけでなく、自主性、主体性を発揮させる可能性をディスカウントしてしまします。
このディスカウントは職員個人の力が十分に発揮できない状況を生み出し、職員と組織繋がりを妨げてしまいます。個人の力が組織に有機的に作用していく為には、お互いの共通点と相違点を把握し、それを大局的に認め合い、お互いに学び合って向上しようとする視点が不可欠です。
そのためには、まず職員個人の考えや仕事に対する見方を改めて確認する作業が必要になります。
一方で、組織内で起こるコミュニケーション障害やマネジメント誤認も職員個人と組織の繋がりを希薄なものにさせています。一般的に言われているコミュニケーションやマネジメントを表面的な言葉で理解し、実践することが上司部下や同僚との関係を悪化さ潜在化させていることが組織のパフォ―マンスを下げている要因の多くを占めています。
このような状況は、次のことをシステム化することによって着実に改善されていきます。
従来型の研修は、その多くを理論と仕組みを解説することに終始する理想提示・現実否定型のものでした。ですから、他の組織での成功事例を自分の組織に当てはめても実効力がなく、最終的には限定された人間力で結果を出すというやり方に終始していました。
しかし、社会の多様なニーズにこたえるためには、働き方改革やダイバーシティの考えを柔軟にとらえ活用していくことが求められています。その原点となるのは、人は百人百様という考えです。ただ、一人一人に焦点を合わせて対応していくことには限界があります。
そこで、クローズアップされているのは、人の心の基本的な性質を探求する心理学です。 その中でもコミュニケーション心理学と呼ばれているジャンルには、組織の中で起きる問題、課題を解決するヒントが多く詰まっています。マネジメントを学習された方の中に気づいている方もいらっしゃるかと思いますが、マネジメント理論が構築された元がたどってみるとそのほとんどが心理学なのです。ただ心理学というとなにやら理解しずらいものというイメージがありますが、コミュニケーション心理学はその点を見える化という手法で解消しています。
このコミュニケーション心理学を活用した、次のようなジャンルついてワークを中心とした研修を実施することによって、組織人として洗練された人材を育成していきます。
3.の研修ではカリキュラムの中に、体験するワークを行いますので、その場で学んだことの効果を実感します。その効果は、それぞれの職場で実践して初めて活用できるものとなっていきます。
研修終了後に職場実践の課題を出し、それを報告という形で提出していただきます。その課題を実行することで、スキルアップを図ることができます。3.の研修と4.の職場実践によって、自発的は能力開発や人材育成が自動的に起こってきます。
一般的言われているキャリア・カウンセリングは、個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な登用がその目的で、個人への相談支援を行い、「自分のキャリア・プラン」を作します。このときに使われるのがジョブ・カードです。
ただその実際の効果としては、一人ひとりがカウンセリングを受けることによって次のことが可能になることです。
(2)については、職場で問題が起きているときには、カウンセリングを行うなかで、同じ内容の問題が複数出てくるので、組織としての問題点の確認が可能となる。
キャリア・カウンセリングの実効力
自らキャリ・アプランを作成する過程で、さまざまなことを考えることにより、主体的に仕事や職業能力開発に取り組もうとする意識を高めることができます
集合研修と職場実践を実施することにより、職員が自分についてのさまざまな気づきが出てくるので、それを報告してもらい、個々にフィードバックしていく。重要なものについては、キャリア・カウンセリングの中でサポートしていく。
また、報告書の中から組織として改善すべき点があれば、報告していく。
セルフ・キャリア・マネジメントをシステム化していくためには、その役割を担った軸となる職員を養成することが効果的です。
そのためには、候補となる職員を指名し、2.システム構築で示した次のステップを を繰り返すことによって、職場メンターを養成することがポイントとなります。
このステップを実践することによって、模範となる職員像の提示が可能となり、そのイメージが職場全体に広がっていきます。
職場メンターが育成された後は、職場改善運動の実践者となるとともに、職場カウンセラー的な役割を果たしてもらいます。
職場メンターの主たる役割は、職員が何を考え、何を求めているかを把握し、それをフィードバックすることによってモチベーションを高め、自律的・自発的に行動できるようサポートしていくことにあります。
職場メンター
・何かあったときに、話しを聴くことができる
・上司に相談ができる
・職場リーダー的な役割をもつ職員
職場リフレーミング実践運動
少し恥ずかしいと思う気持 ~ 大切な気づきのファーストシーン~